シグネット35

　準ジャンクで手に入れたカメラです。金属部分は黒ずんでいて、三角に見えるはずの2重像はまったく見えない代物です。そのため、人気機種としては破格のお値段でした。
　模型店で買った金属用の研磨剤を付けて磨くとずいぶんきれいになりました。その上で、自動車用のウィンドウフィルム（ミラータイプ）を使ってハーフミラーを再生しました。いつも参考にさせていただいているホームページ「レンジファインダー」(http://homepage1.nifty.com/fukucame/daisaku/d23.htm)を参考にしてやってみました。見るとこんなにきれいに2重像が見えました。ハーフミラーの再生については、自分なりに気がついたこともあり「カメラ修理の迷宮」にまとめてみました。
　いつもの公園で撮ってみるとコントラストのいい写真ができました。中古カメラ店に行くと、このカメラの入手時と同じ程度のくたびれたシグネットが￥20000以上の値段で売られているのを目にします。チョット高いんではないかなあ？いいカメラです、アメリカのサモカとでも言いましょうか？シャッターが弱いということです。コダックのカメラメーカーとしての黄金時代に作られた名機です。

　使い方に難しいところはありません。フィルムが巻きあがっていくとパーフォレーションが歯車を回転させて自動巻き止めが作動する仕組みです。だからフィルムを入れないといくらでも巻きあがってしまいます。シャッターをチャージしても2重露出防止が働いてリリースできません。空シャッターを切るときは前面左下のスイッチをスライドさせると2重露出防止が解除されて切れる用になります。ちなみに背面右下のスイッチは巻き戻しのためのものです。

左右対象の美しいカメラ。かつてメダリストやシェブロンなどの素晴らしいカメラを作ったのにどうしてコダックはカメラを作らないのでしょう？

カウンターを軍艦に組み込むには糸でカウンターの金具を引っ張っておいて後で隙間から糸を抜きます。簡単だけどずいぶん悩んで見つけた方法。

いつもの公園で”縄飛び小僧”

rope skipping boy

このカメラで困るのはシャッターシシースレバーにかけた自分の指でスプリットイメージが隠れてしまうことです。

このサイトをご覧の方から、質問がありましたので載せて置きます。以前参照させていただいた、使い方を載せたサイトが閉鎖してしまいました。

1）まず裏蓋を開てフィルムを入れる。カメラを構えて右側のボタンを押し込んで、金属部分を下にスライドさせるとロックが外れる。	2）このように開く。左側ははまっているだけなので裏蓋は完全に外すことができる。昔のカメラなのでフィルム圧板は黒くなっていない。	3）巻きもどしノブ（左側の丸いところ）を上に引っ張り上げてフィルムを入れる。フィルムが入ったらノブを元に戻す。
4）フィルムを引っ張り出して右側の巻き上げ軸の隙間にフィルム先端を差し込む。軽く巻き上げて、軸にしっかりとフィルムが巻きついたことと、フィルム穴が下のスプロケット（歯車）にしっかり入ったのを確認する。	5）先ほどの逆の手順で裏蓋を閉める。フィルムを巻き上げます。フィルムカウンターが回転するのを確認する。フィルムが１コマ分巻きあがると自動的に巻きあがらなくなる。１コマ巻き上げたらシャッターを切る。	6）シャッターを切るには、まず、写真でレンズの右に見えるチャージレバーを押し下げて、シャッターをチャージしてから、写真の左側に見えるシャッターレバーを押し下げる。
7）5）6）を2回ほど繰り返してフィルムを送ってから、フィルムカウンターをセットする。このカメラは逆算式なので24枚撮りなら24、３６枚撮りなら３６に合わせる。私は古いカメラでは36枚撮りフィルムは使いませんが・・。後はお好きに写真を撮ってください。		8）全部フィルムを使い切ったら、フィルムを巻きもどします。巻きもどすときは写真のレバーを左に倒した状態で、巻きもどしノブを回転させます。このレバーは巻きもどしの間ずっと指で押さえておく必要があります。正常なら、巻き戻しノブを回すと巻き上げノブが一緒に回転します。フィルムが完全に巻きもどされると抵抗がなくなります。後は裏蓋を開けて、ノブを引き上げ、フィルムを取り出します。

1961,35mm　camera
Kodak , USA
Lens Ekrar 44mm,3.5
Shutter Kodak synchro 300 B,1/25-1/300
500g