メダリスト2

　メダリストは第二次世界大戦の時代にアメリカが国策として作ったカメラです。6ｘ9判ですからかなり大きなフォーマットですね。ついているレンズはエクターで、評価の高いレンズのようです。私のところへやってくるメダリストですから当然、ジャンク扱いです。きれいに掃除してやりました。かなり大柄で重量も1ｋｇをこえるカメラです。コダックという会社はフィルムを売るためにカメラを作っていたような会社です。

　このカメラは620という規格の今はないフィルムを使います。フィルム自体は何のことはない120と同じです。スプールが違うだけです。スプールの鍔が少し小さくて、軸が細くて、上下かほんのチョット短いのです。軸が細くてもカメラ自体が小さくなるとは到底思えません。何でこんなフィルムを作ったか？？要するに120が使えないカメラを作って、自分の会社の620フィルムを売りたかっただけですね。そんな理由で作られた規格ですから（軸が太い方がフィルムの平面性からいっても有利ですし）、戦後にあっという間に廃れてしまいました。

　現在、620フィルムを使う方法はいろいろなサイトで報告されていますのでここでは詳しく書きませんが、巻き上げ側だけはオリジナルの金属スプールがないと使えません。カメラ購入の際は最低スプールが1本入っていることを確認する必要があります。

美しいカメラだと思います。張り革はオリジナルではなく張り替えてあります。

このカメラはフィルム装てんに癖があります。おっと、壊れているかどうかもフィルムを入れないと分かりませんよ。

フィルムの装てん方法

1）フィルムをセットしたらカウンターを”0”にあわせる。0にあわせるとフィルム巻き止め機構がフリーになる。
2）赤窓を見て窓にやっと「1」が見えるか見えないないくらいの位置で、カウンターを”1”にあわせる。もうチョット巻き上げると巻き止めがはたらく。
3)後はチャージと巻き止めが自動的にはたらくので、次々に8枚目まで写真を撮る。
4）8枚撮り終えたらカウンターをまた”0”にあわせて、フィルムをすべて巻き取る。
5)裏蓋を開けてフィルムを取り出す。無理に取り出そうとしなくても、フィルムの端を引っ張るとスルリと外せます。

中判のスキャナがないのでＬ判プリントからのスキャンでしたが、さすがにあまりに画質が悪いので中古のスキャナを購入しました。作例はキヤノンD2400ＵＦでフィルムを読み込んだものです。

モノクロも撮ってみました。2005年11月。1200dpiで取り込んで20％に縮小しています。

中判というのはすごいですね。写真をクリックすると右下の人物が拡大します（ブラウザの”戻る”で戻ってください）。

逆行でもゴーストは出ません。