キャノン　デミＥＥ17

Canon Demi EE17　　　　　　　　　　デミシリーズの最高峰

　キャノネット（初代）を修理した後、気をよくして「どんどん直すぞ～！」という感じで仕入れたカメラです。ジャンク箱の中に転がっていました。私はこのカメラが、デミシリーズの中でもっとも高スペックを誇るカメラだ、ということは知っていました。しかし、メカニカルシャッターなのか電子シャッターなのかも知りません。外見はとてもきれいでした。巻き上げができないためシャッターも切れない状態でした。デミは人気があるのでなかなかジャンクその物が手に入りにくくなっていますし、特にＥＥ17は安価に入手することが困難です。自信はありませんでしたがお値段が安かったので迷わず購入しました。
　幸い完動にすることができました。大変お洒落なスタイルです。めずらしく子供たちも「かっこいいカメラだね」と言ってくれました。中を開けるとたいへんぎっしり詰まっているカメラです。軍艦と底が黒でボディーが白のツートンカラーもおしゃれです。「デミ」って「半分」って意味のフランス語なんですってね。
　キャノンデミは1960年代にオリンパスペンで始まったハーフサイズブームに向けてキャノンが発売したカメラです。デミ　EE17は1966年の発売で、このシリーズの最終で最上位機種でした。前年に発売されたデミラピッドの通常35ｍｍ版のカメラです。ｆ1.7の大口径レンズをつけてあります。Cds式のシャッター速度優先ＥＥです。鏡胴にはｘ2、ｘ4の表示がありますがこれは＋2段の露出補正だそうです。
　ファインダーが大変美しく、絞り値と距離（ピクトグラム）が表示されます。ハーフサイズカメラはカラーフィルムが安価で購入できる時代になり自然に衰退していきました。（2002年６月）

　試写の結果はハーフサイズとしてはこれ以上ない写りでした。私の持っているペンは何となくほわわんとした柔らかい写真が撮れるのですが（経年変化のためかもしれませんが）、このデミはたいへんシャープです。これを￥2500で買えるんだからジャンクやめられませんね。　

軍艦中央に大き目のＣdＳ窓がある高級感のあるデザイン	軍艦の”ｄｅｍｉ”の書体は古いモデルの方が味があると思う
	底の部分にフィルム感度合わせがある。ちなみに軍艦と底蓋の黒い部分も金属でできており、持った時の感触は非常に良い。